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原点 


 写真は1970年代のナショナルカセットRQ-413。状態も綺麗で1000円でヤフオクで落札。今更カセットなんて買っても使い道ないのだが、これは僕の音楽の原点とも言うべきカセット。懐かしくて買ってしまった。
 僕は今、一応クラシックの音楽家であるわけだが、「小さい頃からクラシックを習い、海外留学し..」なんて環境ではなかったのだ。 

少しでもギターの音がすると親父が「うるせぇ〜!」と怒鳴り込んでくる状態で、小学生の頃、
子供なら100%近く持っていた自転車もなく、自転車も遊び道具も弟と一緒に「粗大ゴミ」から探してくるような生活。到底「金を払ってギターを習いに行く」なんてのは不可能だった。それで、中学2年の夏休み、数千円の質屋のギター片手に教育テレビの「ギターを弾こう」を見てギターを始める。

その数ヶ月後には当時流行のフォークソングを歌いたくなり、レコードコピーとなる訳だが、うちには、親父のレコードプレーヤーとラジオがあるだけ、親父の物を使っているとうるさいし、自分ではオーディオ機器の類いは一切持ってない。

当時(1979年頃)同級生はステレオ若しくはラジカセくらいは持っていた。
千円二千円の工作部品くらいなら何とかなっても家電機器となると自力では無理。僕は中学に入っても相変わらず粗大ゴミ拾いをしている生活をしていた。

「このステレオ使えるかな??」「このテレビ大丈夫かな?」と、今の若い人は知らないと思うが、家具のようにデカイ昔のテレビやステレオを、弟とかなり重たい思いをして家まで運んで直してみても「やっぱり壊れていた・・・」と、夜中にまた重たい思いをして元のゴミ捨て場に捨てに行くという有り様だった。

コピーするのに何回も聞き直しが出来るカセットプレーヤーを何とかゲットしたかった。

カセットを探していたある日、親父の本棚の引き出しの中にモノラルのカセットプレーヤーを見つけた。これは英会話用というのか語学勉強用途のカセットだ。これが写真のナショナルRQ-413だ。
 
僕は早速、親父に内緒でカセットを失敬し、買ってきたシングルレコードをテープに録音した。当時はライン入力なんて頭にないからレコードをかけたスピーカーの目の前にカセットを録音状態で置き、レコードがかかっている間、物音をたてないように録音したものだ。

しかし、やっとテープにとっても、音楽用のプレーヤーではないので、すぐに音が割れて何を弾いているのか分からない。
それで 考えた挙げ句、またもや粗大ゴミから大きな木枠のスピーカーをひとつ拾ってきて、電気工作部に所属していた腕を活かして、モノラル20Wのアンプを自作した。
当時、千円くらいの部品代だったと思う。

親父から失敬したモノラルプレーヤーのイヤホン端子からアンプに入力し、アンプから拾ってきたスピーカーに繋いだ。

小型冷蔵庫くらいはあろうかというような、部屋に不釣り合いな大きな木枠のボロスピーカーの上に、ケースもなく、基板むき出しのままのアンプが転がり、怪しげなコードが語学用カセットプレーヤーに繋がっている。
 当時、遊びにきた友達は、一様にその異様な機械を前にして「これ何するもの?」と首を傾げていた。 それでも僕にとっては、唯一のオーディオ機器。たまに、親父に見つかり「カセット返せ!」と取り戻されたりもしたが、それでも、それらを駆使して曲をコピーしていた。

そんな中、親父がステレオに買い替え、お下がりでもらったレコードプレーヤーのみが頼りになったが、レコードから直にコピーしてたものの聞き直したいフレーズをいちいちレコード針を戻さないといけない。その手間はかなり面倒であるし、つい針を落とし損なって盤に傷をつけてしまう。

中学の夏休み、炎天下のなかタイル屋でバイトし、やっとの思いで手に入れたレコードが音飛びになってしまう有り様。まさに泣き面に蜂だ。

今思うと懐かしいが惨めだったなぁ。。

 

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